ひな祭り

本日は県内某所に出張。打ち合わせは午前中で終了したので、タクシーで駅まで戻り、駅前のローカルな食堂に入って昼飯を食っていると、店のテレビで真壁のひな祭りを紹介していました。
映像を見てびっくり。これが真壁町かと思うほどの沿道を埋め尽くす人、人、人。昔からあるにはあったらしいが、これほど有名になっているとは正直驚きました。


男ばかりの兄弟で育った私にはひな祭りがどんなものなのかという実感もあまりないのだけれど、先日、ふとお袋が「私の雛人形は戦争中、空襲で焼けちゃったのよ」と言っていたのを思い出しました。
この話、今までに何十回となく聞かされているんだけど、今更ながらこの話をするときの母の顔がとても寂しそうなものであることに気がつきました。
東京の家が空襲を受けたとき、母は福島の三春に疎開していたので東京の惨状は知らずに済んだのですが、戦争が終わり、帰ってきた時に、出迎えた祖父が母に開口一番伝えたのは、「家が燃えちゃったよ」ではなく、「お前のお雛さんが燃えちゃったよ」だったそうです。
いや、本当は「家が燃えちゃったよ」という方を先に伝えたのかも知れないけれど、母にとっては家よりも雛人形を失ったことの方がショックだったので、そう記憶しているだけなのかも知れません。
それだけ雛人形というものは、女の子にとっては大切なものなんでしょうかね。