流れる星は生きている /藤原てい

以前スレさんに借りていたんだけど、なかなか読む機会が無く、先日の中国出張の際、どうせ飛行機の中は暇だろうと持って行った本です。


藤原てい著「流れる星は生きている

どんな内容の本か全然知らずに持って行ったのですが、完全に選択を誤りました。
ストーリーは、満州新京で終戦を迎え、中国大陸、朝鮮半島を3人の乳飲み子を抱えて壮絶な逃避行を経て日本に逃げ帰るお話です。
どう考えても中国に行くときにもって行く本じゃない。途中でこのまま帰れなくなるんじゃないかと不安になりました(汗)。


藤原ていさんというのは、あの新田次郎の奥さんで、この本が新田次郎に作家として立つきっかけを与えたんだそうです。


この本を読んで、おいらは今は亡き祖母を思い出しました。
彼女も夫をソ連に強制連行され、うちの親父殿を含めた3人の子供を抱えて樺太から引き上げてきて、戦後女手ひとつで子供達を育て上げた人だったのです。
満州の人たちに比べたら、私たちは幸運だった」と生前よく話していましたが、それでも全財産を失い、蚤やしらみに悩まされながらぎゅうぎゅう詰めの引き上げ船や列車を乗り継いでようやく故郷にたどり着く様は似たような状況だったに違いありません。
現在、のほほーんと毎日を過ごす我々に、日本にはかつてこういう時代があったんだと思い起こさせるお話でした。