「神の火」/高村 薫


内容(「BOOK」データベースより)
原発技術者だった、かつて極秘情報をソヴィエトに流していた島田。謀略の日々に訣別し、全てを捨て平穏な日々を選んだ彼は、己れをスパイに仕立てた男と再会した時から、幼馴染みの日野と共に、謎に包まれた原発襲撃プラン〈トロイ計画〉を巡る、苛烈な諜報戦に巻き込まれることになった…。国際政治の激流に翻弄される男達の熱いドラマ。全面改稿、加筆400枚による文庫化。


原子力。それは人類が神から盗んだ火」という帯の文字につられて買ってみました。
のっけから冬の日本海のずっしりと重い風景と、思わず身震いするほどの異様な緊張感の中で物語りは始ります。
まださわりしか読んでいませんが、「神の火」たる原子力の底知れない恐ろしさが伝わってきるような気がします。


福島の原発事故は自然災害によるものでしたが、もし原発にテロが仕掛けられたら・・・と思うとぞっとします。
何も重装備の武器など不要で、外部電源を遮断して2、3日その状態を保ってやれば、いとも簡単に吹っ飛ばせることを福島原発は証明してしまったんですから。


これ、今まさにタイムリーな読み物かも。