歴史と人

tosibo32008-12-05

読み始めた「翔ぶが如く」、ようやく第6巻に入りました。
一文一文がずっしりと重く、非常に読み応えがあります、これ。
しかし、どんどんその世界に引きずり込まれていく、不思議な感覚。


司馬遼太郎というこの作者、それにしてもその博識振りには心底シャッポを脱ぎます。
あくまでも歴史「小説」ですから、多少の脚色はあるにせよ、一体どこでこれだけの知識を仕入れることができたのか。
おそらく、本や資料を読むだけでは無理でしょうね。
実際に史実の現場へ行き、自分の目で見、子孫やゆかりの人たちの話を聞き、更にその膨大な情報を自分の中で昇華してゆかなければこれほどのものは書けないと思います。
おいら、すっかりファンになってしまいました。
翔ぶが如く」が読み終わったら、「坂の上の雲」にも挑戦してみようと思います。


ところで、司馬遼太郎の著書の中に「21世紀の君達へ」と題する文章があります。
元々は小学校の教科書用に書き下ろされたものの、監修した出版社が弱小で結局は日の目を見なかったもののようですが、本人が「長編小説以上に情熱をかけた」と語るほど、なるほどおおいに感じ入るものがある名文です。

http://naturebear.hp.infoseek.co.jp/nijyuichiseiki.htm

これを読むと、情けない事件ばかりが続く21世紀という世の中が、あるいは毎日を漫然と過ごしている自分がちょっと情けなくなってきて、いつしか背筋が伸びている自分に気がつきます。