熊嵐 / 吉村 昭


いや〜、この小説、おっかないです。
熊ってこんなに恐ろしい動物だったんだ。

1915年、北海道で実際に起こった三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)を題材に書かれたもの。
数度にわたり、民家を襲った巨大な羆による日本最大の獣害事件は死者7名、重傷者3名を数え、軍隊まで出動しますが、しとめることが出来ません。
最期は老練なマタギとの死闘によりようやく事件は収まりますが、犠牲者を悼むため、撃ち殺した熊を食ったって言うんだから、人間も半端ない。


何処となく動作が滑稽で、愛嬌のあるクマさんですが、ひとたび人肉の味を覚えた野生は人間を「餌」としか見ないようです。
北海道ツーリングの度、一度くらいは熊を見て見たいと思っていましたが、考えが変わりました。
野生は舐めたらいかんですな。